[AirTagを実際に使って発生した問題]プライバシー対策に課題有り

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Appleの新製品「AirTag」を利用してみて、だいたい3週間が経過した。
下記記事でもまとめたが、AirTagは精度が良い。特にiPhone11、12シリーズを利用しており、近くにある場合は10cm単位の詳細な場所まで知ることができる。

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[Apple新製品]AirTagとiPhoneで財布や鍵の紛失を防ぐ!プライバシーは問題ない?のアイキャッチ

実際にAirTagを入れている財布をなくしたわけではないので、あくまで目の届く範囲で試してみた限りではあるがかなり使える。
1個3800円で購入できるので、紛失時の保険として持っておいて損はないというのが大まかな感想。

ただ、実際に利用してみていくつか問題があるのも事実。
しかもセキュリティー・プライバシーに関する重大な問題だと捉えている。

AirTagのイメージ

 

「AirTagがあなたの近くで見つかりました」の通知がない

他のiPhoneやiPad等とペアリングしたAirTagとしばらく移動している場合、iPhoneから通知がされる。

AirTag通知のイメージ

出典:Apple

高精度で位置を表示してくれるAirTagはこの機能がなければ、ストーカーなど悪用に使おうとする者にとってはこの上なく強力な武器になる。当然の機能と言っていい。
そこで、この通知はどれくらいの時間や距離を移動すれば表示されるか気になったので実際に試してみた。
AirTagを自宅に置いたiPadとペアリングし、AirTagとペアリングしていないiPhoneを持ってしばらく外出してみた。当然だが、iPhoneとiPadは別のAppleIDを使用。
これで意図的に「iPhoneユーザーがストーカーされている状況」を作ることができた。

開始前は30分ほど移動すれば、通知が届くと勝手に想定していた。
しかし、2時間ほど移動したがiPhoneへの通知は全くなかった。

2時間もあれば、ほとんどの場合は目的地に到着してしまう。
私は追跡やストーカー被害に遭う可能性は今後もおそらくないだろうが、女性や著名人などにとっては大きな問題になりかねない。

この点についてAppleサポートに問い合わせたが、これは珍しい現象のようで、通常はしっかりと通知されるようだ。
担当者によると、AirTagが発売されて以降「”AirTag があなたの近くで見つかりました”というアラートが出た」というような問い合わせはあるが、「通知されない」というような問い合わせはなかったとのこと。

下記記事でも正常な動作が確認できたとあるので、やはりあまり起こらないことなのかもしれない。

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ただ、個人的には「AirTag があなたの近くで見つかりました」というアラートを再現できていないので、しっかりと対策がされているのか疑わしいのが本音。

 

AirTagの警告音はしばらく鳴らない

上記にように知らないAirTagと一緒に移動していた場合、iPhoneに通知されるのはiOS14.5以上のiPhoneユーザー。
iOS14.5より前のiOSを使っているiPhoneユーザーやAndroidユーザー、スマホがない状態ではAirTagから警告音が鳴る仕組みとなっている。

これも検証するために、2時間ほどAirTagだけを持って外出した。意図的にAirTagが仕込まれている状況を作った。
が、警告音は鳴らなかった。

この点についても、どれくらいの目安で警告されるかAppleサポートで質問したところ「時間の目安に関して、現時点で発表されておりません」との回答を頂いた。

ちなみに、下記記事ではAppleの幹部より「AirTagは3日間iPhoneと離れると音が鳴る」と明言されている。
逆に言うなら、現状最低3日間は警告音が鳴らないということになる。

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2021年にAirTagのソフトウェアアップデートが実施され、3日間から8時間から24時間の間でランダムに警告するように変更されたようだ。
ただ、8時間でも追跡等に悪用できる可能性は高い。

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つまり、Andoroidユーザーの身の回りのものにAirTagを仕込んで3日以内に回収することが可能なら、バレずに追跡やストーカー行為ができてしまう。
また、おそらくペアリングしているiPhoneと接近した時点で3日という時間設定はリセットされるので、被害者と追跡したい側が同居している場合はバレずに位置情報を確認できてしまうと考えられる。

Androidユーザーであるパートナーの手荷物や車などにAirTagを仕込めば、帰宅毎にリセットされて、現在の仕組みでは警告音が鳴らない可能性が高い。

ストーカーイメージ

現状ではうまく使えば、ストーカー等の悪用にも使えてしまう。悪用対策は要改善だと思う。

唐突にAirTagから警告音が鳴った

上記のように、意図的に作ったAirTagが仕込まれた状況下では、警告音は鳴らなかった。
しかし、ある日の買い物中、ペアリングしてるiPhoneとAirTagが一緒に移動しているにも関わらず、警告音が鳴った。
鳴る想定をしていなかったので、なぜ鳴っているのか全くわからなかった。
なかなか鳴り止まなかったため、電池を外して再度元に戻しことで警告音は止まった。それ以降は一度も鳴っていない。

結局、今も原因は不明。

AirTag電池取り外し画像

 

NFC部分に当たるたびに認識する

これはAirTagの問題ではなく、完全に個人的な問題。
私はAirTagをケースに入れず、むき出しの状態で小銭入れの外側に入れている。

その小銭入れとiPhoneを一緒にパンツ(下着じゃないよ)の右ポケットに入れているので、移動中に頻繁にAirTagとiPhoneのNFCセンサー部分が接触する。その度、NFCタグが検出されて通知が来てしまう。

それほど鬱陶しいことでもないが、これを防ぐためにiPhoneとAirTagが接触しないよう向きを考えて入れるようにしている。

AirTag、NFCタグ検出通知の画像