Appleが2021年4月に発売した紛失防止タグ「AirTag」。簡単に使えて高性能のAirTagは便利な反面、ストーカー等の悪用対策は不十分であった。
Appleの新製品「AirTag」を利用してみて、だいたい3週間が経過した。 下記記事でもまとめたが、AirTagは精度が良い。特にiPhone11、12シリーズを利用しており、近くにある場合は10cm単位の詳細な場所まで知ることができる[…]
AppleはそのAirTagのアップデートを実施し、悪用対策を強化したようだ。さらにAirTagを検知するAndroidアプリのリリースを予定しているとも発表。セキュリティーに関する問題点を随時改善していく姿勢を示している。
ただ、今回のアップデート後の仕様でもセキュリティは万全でなく、完璧であるとは言えないというのが正直な感想。
[最新]バージョン1.0.276
AirTagの警告タイミングがランダムに
AirTagは持ち主から離れて移動し、長時間離れたままになっている場合、AirTagから音が鳴り始める。この警告音が鳴る仕様はAirTagがストーカー行為に使用されるのを防止するためのもの。
ただ、この警告音が鳴り始めるまでの時間が問題で、3日間経過しないと警告音が鳴らなかった。つまり3日間はストーカー行為などの悪用に使えてしまっていたわけだ。
この警告音がなるまでに時間がかかるという問題点は指摘されていたが、今回のアップデートで8時間から24時間の間でランダムに警告音が鳴るように変更されたようだ。
だが、8時間もあればほとんどの場合で目的地に到着するだろうし、3日から最短で8時間と大幅に時間が短くなったとは言えAirTagはまだ悪用に使えてしまうと言える。
ちなみにAirTagが本体から音を鳴らして警告するのは、iOS14.4以前のiPhoneユーザーとAndroidユーザー、スマホを持っていない状態の人が移動した場合。AirTagに対応しているiOS14.5以降のiPhoneユーザーがペアリングしていないAirTagと移動した場合は、8時間から24時間経過しなくてもiPhoneへ通知が届く仕様となっている。
AirTagのバージョン確認方法&アップデート
バージョンの確認は「探す」アプリで確認する。
「探す」アプリ→「持ち物を探す」タブ→AirTagを選択→所在地やバッテリーアイコン辺りをタップする。
以上でAirTagのシリアル番号、バージョン(フォームウェア)が表示される。
最新バージョンは1.0.276となり、1.0.225の場合は旧バージョンとなる。
なお、アップデートはiPhoneが近くにある時に通信して自動で行われる。これはAirPodsと同じで、手動でのアップデートはできない。
Android用のAirTag検知アプリをリリース予定
AndroidユーザーにもiPhoneユーザーと同じように8時間から24時間経過せずとも身に覚えのないAirTagの存在を知らせるため、Androidスマートフォン用のAirTag検知アプリを開発中のようだ。2021年の後半にリリースを予定しているとのこと。
だが、Androidユーザーがわざわざ自分にAirTagが仕込まれていないか確認するためにAirTag検知アプリをダウンロードするかどうかは疑問。さらにAndroidのAirTag検知アプリは警告メッセージを表示するだけで、自身の荷物を探すには役に立たない仕様になると思われるので、Androidユーザーにとっては特にメリットのない話。